2025年5月16日
更科(さらしな) 【 ショップヒストリー 】
創業大正四年――百余年、まちとともに歩む味
大正四年(一九一五年)、天理市にて創業。
初代店主は、大阪・通天閣のほど近くにある名店「総本家更科」で修行を積み、地元・天理の地に店を構えました。
開業当時の写真には、店の隣がまだ空き地である様子が残っており、まちが発展するよりも一足早く、更科はのれんを掲げていたことがわかります。
その後、法隆寺と天理を結ぶ「天理軽便鉄道」の開通により人の往来が盛んになり、まちは商店街としてにぎわいを見せるようになります。
更科もこの地で、まちの変化とともに店のかたちを少しずつ変えながら、地域の人々に親しまれてきました。
初代から二代目、そして現三代目へと、時代を超えて受け継がれてきたのは、「だし」へのこだわりです。
代々の店主が丹精込めて守ってきた、香り高く奥行きのある味わい。
返しをベースに工夫を重ね、そば・うどんを中心に、時代に合った豊富なメニューを提供し続けています。
100年以上続く味には、まちの記憶とともに、家族と地域の物語が詰まっています。
更科はこれからも、歴史とともに未来へ味をつないでいきます。